根拠に基づく痩せるためのダイエット

 痩せるためのダイエットだけでなく、現在、医学・医療の現場では、医学的根拠に基づく医療(evidence-based medicine ; EBM)が求められています。肥満症の運動療法ダイエットをして減量することについても、身体運動をはじめとする生活習慣の是正による減量が、肥満耐糖能障害者の糖尿病発症率低下に有用であるとする大規模臨床成績が次々と報告されています。また、分子生物学的アプローチによる運動の効果のメカニズム解明が進行中であるなど、肥満症の運動療法の有用性を示唆する多くのエビデンスが次々と見出されています。

 一方、厚生労働省によって肥満、2型糖尿病を代表例とする「生活習慣痛」の概念が導入されました。また、身体活動・運動や栄養・食生活などの生活習慣を改善することによってダイエットを行い痩せることによって、肥満者の減少など危険因子を低減し、糖尿病などの疾病を減少させ、健康寿命の延長を目指した「健康日本21」が県・市町村レベルで実施段階に入っています。さらに、法的基盤整備として「健康増進法」が制定され、2003(平成15)年5月から施行されました。

 そもそも、肥満は体の貯蔵脂肪が過剰に蓄積した状態です。したがって、肥満症治療の原則は、エネルギー出納のバランスを長期的かつ継続的に負に保ち、脂肪組織を減少させることにあります。すなわち、身体トレーニングを実施することにより、食事制限の結果低下する個体の基礎代謝を上昇させるとともに、脂肪組織に脂肪分解を起こさせ、生じた遊離脂肪酸(FFA)を効率的に運動(収縮)筋で利用(消費)させなければなりません。

 しかし、高い強度の運動では脂肪組織の減少効果は少ないとされています。したがって、運動療法のポイントは、特別なスポーツを行うことよりも、日常生活のなかで身体活動性を増加することにあります。
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