誤った単品ダイエットによる障害

 痩せるための誤った単品ダイエットとして、手軽で安価な一品目のみを食べるダイエットが流行したことがありました。グレープフルーツダイエット、リンゴダイエット、パイナップルダイエット、ゆで卵ダイエットなどです。

 これらのダイエットは、体重は減少してもビタミン欠乏性多発性末梢神経障害や筋力低下、知覚異常、さらには、口内炎、不整脈、意識消失発作などの重篤な障害を起こす症例が相次いで報告され、今では間違ったダイエット法として知られています。

 肥満とは脂肪が過剰に体内に蓄積した状態をいい、肥満が悪いのは太れば太るほど糖尿病、高血圧症、高脂血症などの生活習慣病を合併するからです。肥満が多くの合併症を伴うのは、脂肪細胞は単なるエネルギーの貯蔵庫ではなく、多くの合併症を引き起こすホルモンを多数分泌する内分泌器官でもあります。

 例えば、インスリン抵抗性の糖尿病の元凶となりうる腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor−α:TNF−α)、高血圧症の原因になりうるレプチンやアンギオテンシノーゲン、さらには、動脈硬化の元凶となるアデイポネタテンなどのホルモンが分泌されているのです。

 さらに、これらの合併症は、今ある体重から5〜10%減量(脂肪量の低下)できればホルモン分泌は正常化され治ってしまうことも明らかにされています。

 それゆえ、脂肪の過剰蓄積が悪いので減量にて脂肪を減らすことは大きな意味があります。しかし、上記のような果物やゆで卵による単品ダイエットでは、生命の維持に不可欠な蛋白質(必須アミノ酸)やビタミン、ミネラルが欠乏し、重篤な前述のような合併症をきたしたり、基礎代謝量の低下につながり、筋肉量や水分は減少しても、脂肪の減量は少なく、その減量もすぐに止まってします。

 日本人成人は、骨格筋の維持のためにも、栄養学的に1日最低70gの蛋白質(1〜1.2g/kg・標準体重)を摂取すべきなのです。これは、牛乳(200ml)1本+卵1個+魚80g(刺身5切れ)+肉80g(8×4×0。8cm)+豆腐1/2丁に匹敵します。このようにダイエットには正しい栄養学的知識や情報が必要なのです。
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